【自然と動物を守るための第一歩を共に】クロヒョウのソルを迎えるにあたり、皆さんにお伝えしたいこと。
宇都宮動物園では、希少種であるクロヒョウを2024年12月4月に新たに迎え、現在時間をかけて新しい環境でストレスなく過ごせるよう、慣らし公開をしております。
新しく加わったクロヒョウの名前は「ソル」。2019年9月に静岡県浜松市動物園に生まれた、オスのクロヒョウです。
日本の動物園では9頭のみのクロヒョウを宇都宮動物園に迎えて公開するということは、動物保護と自然環境への理解を深めていただくための重要な取り組みの一環です。
今回の取り組みと思いを皆さんにお伝えしたく、ここで少し皆さんにクロヒョウについて書かせていただきます!これをきっかけにヒョウ・クロヒョウのこと、そして彼らを取り巻く現状を知ってもらればいいなと思っています。
まず最初に…皆さん、クロヒョウって動物の種のひとつだと思いますか?
実は、クロヒョウというのはヒョウやジャガーの中でも極めて稀に見られる、「メラニズム」という遺伝的特徴を持つ個体のことを指します。よ~く観察してみると、真っ黒な体のように見えて、実は模様(斑紋)がうっすらみえていたりします。ですので「クロヒョウ」という種類の動物がいる、というわけではないのです。
ヒョウ・クロヒョウの生態はどんなか?!
先に記したように、クロヒョウは、ヒョウの一種で、黒い毛色を持つ変異体です。体全体は黒や暗褐色ですが、近くで見るとヒョウ特有の梅花状の斑紋が見えることがあります。
彼らは力がとても強く、小型~大型哺乳類をはじめ、鳥類、魚類、昆虫など幅広い獲物を捕らえます。また、木登りや泳ぎが得意で、高い運動能力を持っています。…われわれ人間は、狙われたらひとたまりもない?!
夜行性で、メスの子育て時以外は単独で行動をしています。平均産子数は2~3頭で、寿命は野生下だと10~12年ほど。飼育下では20年ほどと言われています。
実際に目にした人は頷けると思いますが、クロヒョウの漆黒の体毛に隠された独特の模様は、神秘的な美しさで多くの人々を魅了します。ですが、この美しさの裏には厳しい現実があります。
ヒョウ・クロヒョウの現状
近年、ヒョウやクロヒョウは生息地である熱帯雨林や森林の伐採、都市化によって住処を失っています。さらに、気候変動が生態系を揺るがし、生物多様性の危機を加速させています。
また、この魅力的な動物の姿を求める人々による密猟や違法取引の脅威も絶えず、クロヒョウを含む大型猫科動物は現在生存が厳しい状況に追い込まれています。
そのような理由で、クロヒョウはもとより、ヒョウの生個体数が減少しています。そのため国際自然保護連合(IUCN)では、年々状況が悪化していると指摘され、2002年には「低危険(LC)」、2008年には「準絶滅危惧(NT)」、そして2016年からヒョウ・クロヒョウは、野生で高い絶滅のリスクに直面していると考えられる「危急(VU)」*に分類されています。*2023年11月時点までの評価
私たちの伝えたいこと
私たち宇都宮動物園は、希少種クロヒョウの公開を通じて、訪れる皆さんに自然環境の現状や、そこに生きる動物たちの姿を伝えたいと考えています。そしてこのままではもうすぐ日本では観られなくなってしまうクロヒョウの公開を通して、動物たちの現在置かれている状況に目を向けるきっかけとなり、動物愛護や環境保全の大切さを多くの方に知っていただければ幸いです。
最近のソル
宇都宮動物園の新しい仲間、クロヒョウのソル。
天候も影響したのか、新しい環境に慣れるのに時間を有しています。ですが、最近は午後3時以降に運動場に出てくることが増えてきました。
ソルのスピードで、ゆっくり宇都宮動物園の環境に慣れていってくれればいいなと思っています。
そんなソルの最近の愛くるしいアップ写真はこちら▼
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では、ソルと共に皆さんのお越しを楽しみにしております👋